輸送を行う企業にとって、ルート設定の最適化は重要な課題です。なかでも、多くの地点を周る配送業の場合は、適切なルートを設定できるかどうかが経営に大きな影響を与えます。配送経路の距離が短くなるほどコストを削減できるからです。
実際に、ルートを最適化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
①走行距離が短くなることで燃料費を削減できる
②移動距離が短くなることで配送時間を短縮できる
③配送時間を短くすることができればドライバー不足の問題を解消できる
さらには、残業時間を減らして人件費を削減したり、余裕ができたところに配送先を増やして売上をアップさせたりしていくことも可能になります。
以上のような点からも、配送業にとってルート設定の最適化、効率化が急務であることはおわかりいただけるでしょう。しかし、長距離輸送など単純に2地点間で移動する場合は、ルートのパターンが少なく考慮する余地がほとんどないこともあります。一方、複数の地点を巡る配送業務では、配送先が多くなればなるほどルートの選択肢が増えていき、選んだルートによって距離も時間も大幅に増減します。多地点を周る配送業にとっては、効率のいいルートを設定できるかどうかが、経営に大きな影響を与えるのです。
実際に配送ルートの効率化を図るには、どうしたらいいのでしょうか?
方法は、大きくわけてふたつあります。
ひとつは、長年の経験と勘を頼りに人力で行う方法。
もうひとつは専用の配送計画システムを使う方法です。
まず、配送ルートの設定を人力で行う場合のメリットとデメリットをみていきましょう。多くの配送会社が以前から採用してきたのが、この方法です。多くの場合、営業範囲内の道路状況や客先の情報を熟知した方が配車担当としてルートを設定しています。
人力で行うメリット
・長年やってきた方法なので、やり方を変える必要がない
・いままで蓄積してきたデータや経験を活かすことができる
・導入コストがかからない
人力で行うデメリット
・担当者の能力によって、精度に大きく差が出る
・個人の経験値に頼るところが大きく、負担がひとりに偏ってしまう
・後継者を育てるのが難しい
・人の手で作業を行うため、日々の配送計画の作成に時間がかかる
・イレギュラーな業務やトラブル発生時の対応が遅くなりがち
次に、専横の配送計画システムを使う場合です。
配送計画システムを使うメリット
・行き先や使える車両を設定するだけでシステムが自動で計算し、最適なルートを組んでくれるため、短時間でルートを設定できる
・担当者の能力に頼ることなく、いつでも、誰でも、同じクォリティで配送計画を立てることができる
・精度の高い配送計画を短時間で設定できるため、残業が減り、人件費を削減できる
ただし、現在の技術では、どんな配送計画システムを使っても完璧な最適解を導き出すのは難しいと言われています。巡回するポイントが一定数を越えると、「巡回セールスマン問題」とも呼ばれる「組み合わせ最適化問題」に直面。ルートのパターンの可能性が無数に増えてしまうため、すべての可能性を比較検討することができなくなるからです。
配送計画システムを使うデメリット
・導入にコストがかかる
・システムによっては、ランニングコストがかかる
・導入直後は慣れないやり方に戸惑う可能性がある
さらに、「Uターン禁止を考慮するかどうか」「高速道路を使う条件の設定」「荷物の重さや容積などを考慮するかどうか」など、製品(サービス)によってカスタマイズできる項目は異なります。高度なシステムは設定できる項目も多くなりますがそのぶん設定に手間がかかりますし、地点数と条件設定の複雑度合いによって計算スピードも大きく変わってきます。もちろん、システムが複雑になれば価格にも反映されます。一概に「細かな設定ができるほうがいい」とは言えず、配送システムの導入を検討する際にはどんな機能や項目が必要なのか明確にしておくことが重要になってくるのです。
『ODIN 配送計画』は、直感的に使えるシンプルな配送計画システムです。
配送計画のシステムを活用すれば、人力で設定するよりはるかに短い時間で最適解に近い配送ルートを計算することが可能になります。コストの面でも運行管理者やドライバーへの負担の面でもメリットの大きい配送計画システムは、これからの物流業界のスタンダードになっていくサービスです。